西九州大学短期大学部 私立大学研究ブランディング事業 西九州大学短期大学部 私立大学研究ブランディング事業

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事業計画・目標Business goals & plans

事業目標

二次障害を予防し関係者の
負担軽減を目指す

西九州大学短期大学部では、各学科(地域生活支援学科・幼児保育学科)の強みを最大限活かし、発達障害児とその保護者並びに幼児教育等の担当者等が抱える具体的課題を明らかにして、社会的な課題となっている「発達障害児の二次障害」の予防を目的とした実践的研究を行い、研究成果は、乳幼児から高齢期にかけた切れ目のない支援を行っている自治体等に還元し、二次障害予防地域生活支援モデルの確立を目指す。

年次計画

2017年度

発達障害児支援、保護者支援の具体的課題解決にむけた調査研究を中心とする。

研究A
目 標 質問項目等に関するヒアリングを保護者対象に行う。ヒアリングから得られたワードを基に、次年度に実施する県内の幼稚園、保育所等に対する調査項目の策定をする。
実施計画 今後のレシピ開発研究や食環境の研究に向けて、ヒアリングや先行研究を吟味した上で、新たな質問項目の検討が必須となる。また、調査対象も幼稚園、保育所はもちろん、発達障害児が利用している事業所として、放課後等デイサービス、放課後児童クラブ、児童養護施設といった児童福祉を中心とした事業所にも調査フィールドを拡大する。具体的には、【研究A】【研究B】【研究C】が主体となり、それぞれ相談支援、食支援、保護者支援というテーマを中心に質問項目の策定を行い、ステークホルダーと協働で佐賀県内にある事業所を対象とした調査の準備を行う。

2018年度

研究A
目 標 相談支援、食支援、保護者支援に関する現状について把握するとともに、課題の抽出を行う。また、抽出された課題について地域に周知することにより、調査結果をステークホルダーと共有する。
実施計画 ステークホルダーとの協働で実施した調査結果を基に、課題を整理する。その際には、ステークホルダーからの意見を聴取すると共に、その重要度についても検討していく。特に二次障害につながる可能性のある項目については、重要課題として位置づけ、ステークホルダーと課題を共有するための手だてを検討する。
研究B
目 標 研究Aで得られた結果を基に、保護者相談における課題を抽出する。
実施計画 保護者相談スキルの基本となる課題を整理して(分析して)、教育プログラムの体系化の可能性について検討する。
研究C
目 標 研究Aで得られた結果から、特に食行動や生活習慣に関する課題を抽出する。
実施計画 発達障害のある幼児を対象とした食支援を目的とした事例研究(パイロットスタディ)を実施するために、実態調査の結果から課題を抽出し、整理する。抽出された課題、例えば、偏食や食べ方、食事のマナー、栄養改善などに対する具体的な支援策を検討する。
研究D
目 標 事例研究(パイロットスタディ)を実施するための保護者の子育てストレスに関する予備調査を実施する。
実施計画 発達障害のある子どもの保護者に対するストレス緩和ケアに関する研究の前段階として、本学の支援活動に参加している10名程度の保護者を中心に、試行実験を行う。

2019年度

研究計画の決定と実践研究(事例研究)の実施。

研究A
目 標 分析結果のまとめと報告を実施。
実施計画 地域の幼児教育・保育、福祉関連等の事業所を対象とした発達障害児支援、保護者支援における具体的課題点に関する報告(シンポジウムやフォーラムの開催)。
研究B
目 標 教育プログラムの策定と研修の実施。
実施計画 教育プログラムを試行する。試行した結果を基に教育効果を測定して、さらにプログラムの精度を高める。具体的にはステークホルダーと協働で発達障害児の保護者支援・相談で課題を抱えている事業所に研修内容を提案・実施(本学の教員も介入)。効果検証については事業所の協力を得て、研修終了後の保護者や子どもの変化について分析する。
研究C
目 標 検討した偏食等に関する具体的食支援の試行。
実施計画 パイロットスタディとして10ケースの保護者に対して考案した支援策を伝え、実践してもらう。子どもの食事量(量的変化)や生活習慣の改善(質的変化)を指標として効果測定する。
研究D
目 標 パイロットスタディとしてストレス緩和ケアを実施する。
実施計画 子育てにおけるストレス調査の結果を元に、パイロットスタディとして10ケースの保護者へストレス緩和ケア(ハンドケアやリフレクソロジー、フットマッサージ)を実施する。ストレスの測定については内省報告と血圧変動を指標に用いる。

2020年度

研究B
目 標 前年度の効果測定結果を基に、教育プログラムを実施する。同時に相談窓口設置準備を行う。
実施計画 前年度に引き続き教育プログラムを試行する。並行して保護者相談を実施した事業所(事例)の結果を踏まえて、保育者を対象とした相談窓口業務の設置準備を行う。その目的を遂行する為に、相談内容と支援方法の関連性を分析してメソッド的な情報を発信する方法について検討する。具体的には専用HPや公設Facebook等のSNSを使用した情報発信、Webを利用した相談方法等の開発を検討する。
研究C
目 標 前年度の実践研究(事例研究)を継続する。
実施計画 前年度に引き続き実践研究を実施する。さらにステークホルダーと協働で実践の成果を地域で試行する。その効果測定は食事量や生活習慣に関する聞きとりとする。
研究D
目 標 前年度の事例の1年間の効果測定を実施する。さらに実践研究(事例研究)を続ける。
実施計画 効果測定の指標の中で血圧に関する数値は一時的で変動しやすい特性を持つために、指標の妥当性を検討しつつ、短期的な効果と長期的な効果の検証を行う。さらにケース数を20ケースとしてストレス緩和ケアの実践研究を継続する。

2021年度

研究B
目 標 研究成果の報告と体系化を行う。
実施計画 子ども発達支援士や保育者等を主な対象とした保護者相談における課題分析と支援方法に関する研究の成果報告を行う。同時に相談窓口の開設を行う(将来的にはステークホルダーとの協働で相談窓口を設置する方針についても検討)。
研究C
目 標 研究成果の報告と体系化を行う。
実施計画 実践研究をまとめて発達障害のある幼児の食支援の体系化とレシピ等の個々に応じた手立ての提案を行う。
研究D
目 標 研究成果の報告とメソッドの確立を行う。
実施計画 発達障害のある子どもの保護者に対するストレス緩和ケアに関して地域に提案する。また、日常的なケアを実現するための方略(資格付与など)の開発準備を行う。各々の研究を関連付け、保護者支援や食支援が二次障害予防にどのように影響を及ぼしているのか検証した集大成として「二次障害予防地域支援プログラム」を構築する。