活動日時:令和5年11月19日(日)9時~16時半
場 所:小城公民館晴田支館(小城市)
参加者:67名
活動者:学生ボランティア(健康栄養学部 3年生4名)、健康栄養学部 教職員2名
主 催:普茶料理おぎ春香会
11月19日(日)に小城市で開催された「普茶料理食事会」に学生ボランティアが参加してくれました!
「普茶」とは「あまねく大衆に茶を施す」という意味であり、普茶料理は江戸時代初期に中国から伝えられた禅宗の1つである黄檗宗の精進料理です。
普茶料理は4人で1つの卓を囲み、大皿に盛られた物を各自が取り皿に取り分けて食べ、身分の隔てなく楽しむ料理とされています。今回はコロナ対策のため3人で1卓とし、一人ずつの個別に盛られた形で振舞われました。精進料理のため肉や魚を使わず、野菜や豆類、穀類を工夫して料理されています。
小城市では祥光山星巖寺(じょうこうざんせいがんじ)の和尚さんが長崎で普茶料理を学び小城鍋島家に伝えたものを、平成3年に「おぎ春香会」が復活させました。
普茶料理食事会は、コロナ禍で3年間実施を見合わせていましたが、出来る範囲で皆さんに普茶料理を味わっていただきたいと開催されました。
11/19(日)4年ぶりに開催された秋の「普茶料理食事会」に、健康栄養学部3年生の4人が学生ボランティアとして参加に手をあげてくれました!ありがとう!
参加の前には大学内で11月9日(金)と14日(火)に事前に福山先生と内容を学習しました。
11月19日(日)開催当日です!
朝9:00から、いよいよスタート、緊張気味にご挨拶です。よろしくお願いします!
さっそく、普茶料理おぎ春香会の皆さまにやさしく教えていただきながら作業開始です。
魚のすり身ではなく、山芋を使ったかまぼこ!
卵ではなく、豆腐を使った卵焼き!
一人ひとりのお皿に盛付けます。
12:00~いよいよ食事会が始まりました。
普茶料理おぎ春香会の中尾幸子会長様のご挨拶のあと、会長様より学生や引率の福山先生をご参加の皆様にご紹介いただきました。ありがとうございます。
本日の料理です! 中尾会長様より、順に出される料理ごとにわかりやすくご説明いただきました。
菜単(さいたん):献立
菓子(かし)―薄氷
浸菜(しんつぁい):和え物―にく和え、蓮根のからし和え、柿の白和え
巻繊(けんちゃん)―冬瓜のくず煮
麻腐(まふ)―ごま豆腐
雲片(うんぺん):調理の際に残った野菜等を短冊に切り、葛でとじたもの
茶碗蒸し:卵ではなく、すりおろした山芋の茶碗蒸し
笋羹(しゅんかん):旬の野菜や乾物の煮物などを盛り合わせた一皿
―飛竜頭、萩豆腐、ひじき信田巻き、卵焼き、高野豆腐の挟み煮、みょうが寿司、木の葉南瓜
油じ(ゆじ):野菜の天ぷら、揚げ物
―うなぎ、蓮根の詰め揚げ、かに牛蒡、八幡巻き、かまぼこ、干し柿山芋巻き揚げ、おから餃子、
高野豆腐の磯辺揚げ、紅生姜とコーンの天ぷら、
あしらい―菊花大根
寿免(すめ):澄まし汁―唐揚げ……大鉢から取り分けて提供されました。
飯子(はんつう):ご飯―さつま芋ご飯
醃菜(えんつぁい):漬物―白菜の即席漬け、沢庵のごま和え
水果(すいご):デザート―秋の梅酒羹…イチョウと紅葉
見た目も美しく、季節感あふれる品々。もどき料理など、普段の食卓ではお目にかからない品々もあります。
品数も多く、ご参加の皆様からは味も上品で素材の味が良くわかりとても美味しく大変満足したとのお話がありました。
学生ボランティアも普茶料理おぎ春香会の皆さまと一緒に配膳、接客をします。
小城市観光協会代表理事の村岡安廣様も同席され、挨拶をされました。
久々の開催とあって、待ちに待った方々の参加申し込みで、受付初日で定員いっぱいになったそうです。
また、美味しい料理を堪能されたご参加のお客様の中から勉強会に参加したいと申し出られる方がおられました。おぎ春香会が新しい活動者を得て、この伝統ある食文化が受け継がれていくことを頼もしく思いました。
学生ボランティアにとっても、70人近いお客様に料理を振舞いましたので、大変だったと思いますが、丁寧に教えて下さったおぎ春香会の皆さまとのやり取りやお客様との会話など、学生にとって学ぶことの多いやりがいのある活動になったようです。
準備から始まり、調理や配膳、接客、後片付けと1日大忙しで大活躍の学生の皆さん、大変お疲れ様でした。
そして、やさしく暖かく迎えて下さった中尾会長はじめおぎ春香会の皆様、ご参加の皆様、大変お世話になりました。ありがとうございました!
参加した学生ボランティアの皆さんの感想です
お客様が笑顔で普茶料理を召し上がっていて作った甲斐があったと感じた。
地域の人と交流することで普茶料理の歴史や味を知ることができた。
普茶料理食事会に参加して、実際に普茶料理を食べることができて良かったと思った。一部だが調理にも携わることができ、普茶料理について少しでも知ることができたのではないかと思った。また普茶料理の食事会のボランティアに参加できるなら、もう一度参加したいと思った。
今回の活動を通して普茶料理について知ることができた。また、魚や肉などを使用せず主に野菜だけで魚や肉に似せることが出来るのはすごいと思った。
今回のボランティアでは、普茶料理という自分の知らない料理で、慣れないこともたくさんあったが、
地域の方々とたくさんコミュニケーションをとってスムーズに進めることができた。
普段、地域の方々と関わることがあまりなく、このような取り組みを通してたくさん関わることができて良かった。また、普茶料理が野菜だけでもボリュームがあり、おいしくてとても勉強になった。機会があればまた参加したい。