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心理カウンセリング学科

    イベント2017.03.13
    【心理カウンセリング学科】米国教育施設研修スタート!
 今年度、心理カウンセリング学科では3年生を対象に、アメリカのカリフォルニア州の公立小・中・高等学校、公立オルタナティブ学校、教育委員会、短期大学(2年制)、州立大学(4年制)へフィールドワークを実施することとなりました。テーマは、様々な生きづらさを抱えた児童生徒、青少年に対する支援の在り方についてです。

 参加者、心理カウンセリング学科の新4年生の2名、引率の教員1名の計3名です。

 10回以上にわたる大学での事前学習を踏まえて、自分の問題意識をもって、今回のフィールドワークに参加しました。現場の校長先生、教師、スクールカウンセラー、その他、様々な専門職の方にお会いし、大学の先生と一緒に聞き取り調査を行います。

 また、今回の米国フィールドワークは、早稲田大学教職大学院の院生の方々と合同での実施となりました。早稲田大学側の参加者は、教員1名、大学院生7名の計8名です。


 西九州大学の参加者と合わせて11名でのフィールドワークとなりました。

 それでは、現地からのレポート第一弾をお送りしますlaugh1


 福岡空港を出発し、成田空港を経由して、サンフランシスコ国際空港へfukidashi3
 約12時間の空の旅です。airplane


  

 ようやく、サンフランシスコ国際空港へ到着penguin
 無事に早稲田大学側の参加者と合流できました。

 

 そこから、スーパーシャトルに乗って、今回の訪問調査先であるソノマ郡へ
 
 最初の訪問先は、公立高校であるパイナー高等学校(Piner High School)です。
 
 まずは、校長先生と記念撮影
 40代前半の情熱にあふれた校長先生です。

  

 校長先生や教頭先生からは、パイナー高校の特色ある取り組みとして、生徒指導とキャリア教育のお話を伺いました。

 

 生徒指導については、生徒と生徒、生徒と教師、学校と保護者、地域などとの関係づくりを一番大切にしているというお話を伺いました。

 特に、問題行動のある生徒に対しては、安易に停学や退学にするのではなく、自分の加害行為とその回復のために、自分は何ができるのかを考えさせ、教師やカウンセラーのサポートの下で、実行させているということでした。「加害をした生徒には、皆のサポートで、責任を果たさせて、でも学校というコミュニティから、追い出すことはしない」という、校長先生の熱意ある言葉は、印象的でした。
 
 次に、キャリア教育のお話を伺いました。教科の学習と実用的な学習を両立させる努力を行っているということでした。
 教科の学習は、「何の役に立つのか」「学ぶ意味があるのか」と考えてしまいがちですが、実は、社会の様々な分野の基礎になっていることを自覚させているとのこと。
 
 そのため、パイナー高校では、数学や化学、物理の基礎を学ぶだけでなく、さらに発展させて、テクノロジー教育に力を入れているとのことでした。

 

 基礎的な知識が、社会の様々な分野に、どのように役に立っているのか、その見通しを持たせて学習することの大切さを実感しました。
 
 次の訪問先は、リッジウェイ高校です。アメリカでは、一般の公立学校では、上手く成績が伸びなかったり、適応できず不登校になった生徒のために、教育委員会が公立学校として、代わりとなる(オルタナティブ)学校を用意しています。リッジウェイ高校は、「継続高校」という種類のオルタナティブ学校です。

  

 リッジウェイ高校では、校長先生をはじめ、家族関係を調整するコーディネーターのスタッフや勤続31年になる教師の方々からお話を伺いました。

  

 家族の問題や経済的な問題を抱えている等、様々な困難を抱えている生徒が在籍するため、特に、リッジウェイ高校では、生徒と教師の関係が密になるように、毎日、交流する時間を設けているとのことでした。
 
 また、在校生のそれぞれの家庭が厳しい状況であるため、家庭学習で不利にならないように、あえて宿題を出すことを控えていることも印象的でした。(一般の公立高校では、宿題が多く、家庭環境の差で、学業に開きが出やすくなるということでした)


 そして、その後は、サンタローザ・ジュニア・カレッジ(公立の2年制大学)を訪問しました。

  




 キャリアセンターのカウンセラーの方から、キャリア教育の取組みについて、伺いました。日本と同様に多くの学生が何をしたいかわからずに、苦労しているというお話を伺いました。また、アメリカでは一生涯の内に、平均して4~5の仕事を経験するそうです。

  

 キャリアセンターでは、学生に対して、学校に愛着を持つように、学生を小グループに分けてラーニング・コミュニティという小グループを編成して、学校が居場所になるような努力を続けているとのことでした。
 
 また、webを使用して、自己評価と同時に、社会に数多く仕事に関する情報提供して、職業の適正マッチングができるような仕組みを用意しているということでした。
 
 そして、あっという間に夜、参加者全員で夕食を一緒に食べた後は、ホテルで振り返り会。
 
 今回の米国研修をコーディネートしてくださったダリル・ヤギ先生(元米国スクールカウンセラー協会会長、元兵庫教育大学特任教授)も参加して、皆でディスカッション。

 気づいたらあっという間に、午後10時を過ぎていました。へとへとになりましたが、翌日も午前・午後とみっちりフィールドワークですhiyaase1
 
 がんばりますfukidashi3


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